以前よりお問い合わせが多かった「プラセンタ注射」を始めます。
事前のご連絡や予約の必要はありません!
いつでも患者さんのご都合で、自由にご自分のライフスタイルにあったお時間に来院してください。
2回目以降の注射の方は、外来混雑時もできるだけお待たせせずに順番を早めて対応いたします。
プラセンタ注射は、更年期障害の改善(ホルモンバランスの改善)・血行促進・疲労回復・抗酸化作用といった医療領域での効果、しみ・くすみ・肌荒れに対する美肌効果や老化防止といった美容面での効果など、様々な効果が確認されています。
※更年期障害で良くみられる疲労感、倦怠感、不眠などの精神症状や肩こり、腰痛、冷え症などの身体症状を改善します!
プラセンタは、注射以外に市販の錠剤(サプリメント)や美容液などにも用いられています。プラセンタの成分や効能などを踏まえると、さまざまな美容液に用いられているのは理解できますが、錠剤や美容液で用いられているプラセンタは馬や豚の胎盤から生成されるものが一般的です。また、錠剤の場合は、摂取したプラセンタは胃腸で消化・分解の影響を受けます。そのため、実際に効能を発揮できる量は、摂取量よりも微量となってしまいます。プラセンタ注射剤はそのような影響を受けません。
当院では、厚生労働省で認可されているプラセンタ注射剤「メルスモン」を使用します。
①プラセンタ(胎盤)とは?
「プラセンタ」とは、ほ乳類が胎児を育てる臓器=胎盤のことです。ヒトの胎盤は、0.1ミリほどの小さな1個の受精卵を約10か月で平均3㎏の胎児に育てる働きを持った組織です。ヒトの胎児が成長するのに必要なアミノ酸や各種ペプチド、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれております。これらの成分は、身体の生成(新しい細胞や血液、体液の生成)に必要なもので、新陳代謝を活性化させます。それにより様々な効果が期待されています。
②プラセンタの歴史について
プラセンタは、紀元前400年頃のヒポクラテスも使っていたと言われています。近代的な研究はロシアがルーツで、プラセンタの組織療法として研究されました。現在は、日本や海外でも研究が進んでいます。
当院で使用するプラセンタ注射剤「メリスモン」は1959年に薬価収載された、更年期障害に対する治療薬として長い歴史もつ薬剤です。
③プラセンタ注射剤の安全性と副作用について
プラセンタ注射剤はB型肝炎やC型肝炎、HIV(エイズ)に感染していない健康なヒトの胎盤のみを使用し、既知のウイルスや細菌は滅菌法(高圧蒸気滅菌)で不活性化されています。これまでプラセンタ注射剤の使用により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染事例は報告されておりません。
プラセンタ注射は胎盤から抽出される成分を注射する、ヒトとの親和性が高い点が特徴です。そのため、デメリットやリスクが低い点もメリットの一つですが、他の注射薬と同様に、注射部位の痛み・発赤、内出血などの副作用が起こることがあります。
注)ヒト由来の臓器から製造されており、念のための措置としてプラセンタ注射剤を打った方は献血ができません。
※これはプラセンタ注射剤自体に問題があるのではなく、感染症予防対策の一環として定められているためです。
④プラセンタ注射を受ける頻度について
プラセンタ注射の頻度は、改善したい症状やその程度、ライフスタイル次第です。注射を打ち始めた当初や症状の程度によっては、週1回程度でのご来院をおすすめします。数か月経過して症状が改善してきたら週2回程度でご来院されている方もいらっしゃいます。基本的にプラセンタ注射は継続した方が良いものではありますが、「必ずこの頻度でなくてはいけない」といった決まりはないため、目的やライフスタイルを踏まえ、可能な頻度でご来院ください。
プラセンタ注射の前後で行動制限を課せられることもありませんので、ご自身のペース・ご都合を優先しての注射が可能です。
プラセンタ注射剤(メルスモン)は、更年期障害の治療として打つ場合は保険適応となります。45歳〜59歳の更年期障害を患っている女性は、週3回(1本/回)プラセンタ注射剤(メルスモン)を打つことができます。
⑤プラセンタ注射の費用について
自費診療での費用
1本:800円
初回のみ診察料3000円を別途いただいております。
保険診療での費用
1回の受診につき530円程度(2回目以降)、週3回(1本/回)
初回は1010円程度です。
45歳~59歳の更年期障害を患っている女性のみが対象です。
当院では、以前から更年期障害などの女性の不調に対してホルモン補充療法・漢方療法に力を入れており、現在も多数の患者さんを治療させていただいております。正直、これらの治療が効果がなかったり、特に精神症状や痛みが改善しない方も中にはいらっしゃいます。プラセンタ注射は疲労感、倦怠感、不眠、うつなどの精神症状や肩こり、腰痛などの身体症状に有効であり、今後はホルモン補充療法・漢方療法が効果がない方やプラセンタ治療をご希望される方にプラセンタ注射剤による治療を行ってまいります。
当院での新たな治療の選択肢としてお考えいただけましたらと思います。
産婦人科医の視点から、各々の治療のメリット・デメリットを十分にご説明し、患者さん毎に一番合っていると思われる治療を選択していき、どの治療を行うにしても安全に治療できるよう努めてまいります。