不妊治療というと、「何か特別なことをするのではないか?」と不安に感じる方も多いかと思います。
当院では、妊娠しづらいのはなぜなのかということを検査していくところから始めます。
「妊娠がうまくいかない理由=妊娠するために元々備わっている機能がうまく働かない状態」を検査でみつけ、それらを補助する治療を行うのが不妊治療です。
検査結果に基づき、個別に適切な治療法をご提案いたします。治療法について十分にご説明し、ご理解をいただくことは、不妊治療に取り組んでいくための大切なプロセスです。
ご夫婦のご希望も考慮して、より良い治療法を選択していきます。主に副院長が診察させていただきます。毎日外来診療に出ておりますので、一貫した治療をご提供できます。
現在の症状やお悩み、不安に感じていることなど、なんでもお話し下さい。できる限りみなさまのご希望に添えますように努力してまいりま す。
裾野市、御殿場市、小山町、長泉町には不妊専門クリニックがありません。不妊症の検査、タイミング療法〜人工授精までをご希望の方はご相談ください。
妊活中の方のご相談・検査や漢方療法による体質改善なども行っております。
体外受精が必要な方には、適切な時期に体外受精を行っている不妊専門クリニックをご紹介いたします。
(ご紹介施設によっては、採卵に向けた排卵誘発の注射を当院でも打つことができます)
(1)不妊症の原因
主に①排卵因子、②卵管因子、③男性因子、④黄体機能不全、⑤免疫因子、⑥子宮因子などがあります。
- 排卵因子:卵巣の中で卵胞が育ってから排卵するまでに問題がある
- 卵管因子:卵管の通りが悪く、卵子と精子が出会えない
- 男性因子:精子の数が少ない、運動率が低いなど
- 黄体機能不全:着床後の妊娠を維持する力が弱い
- 免疫因子:女性側の免疫機能により、体内に入ってきた精子を異物と捉え て受け付けないために精子が子宮内に入れないなど
- 子宮因子:子宮奇形や子宮筋腫などがあり受精卵が着床できないなど
検査を行っても不妊の原因がわからないこともあります。原因がない訳ではありませんが、「現在の検査法では原因がわからない不妊」という意味です。治療を始めたばかりの頃に行った検査では原因がわからなくても、治療を進めていくうちに原因が明らかになってくるケースも少なくありません。
(2)当院における不妊治療
- タイミング療法
超音波検査で卵胞の大きさを計測し、排卵日を予測します。来院は排卵予測日の2〜3日前です。目安としては、月経が28〜30日周期の場合、月経開始後12〜14日頃になります。排卵予測日は、一番大きな卵胞(主席卵胞)が20mmを超えると思われる日になります。排卵予測日から性交する日を指示します。治療期間の目安は半年〜1年くらいです。ご希望により2〜3 か月であったり、1年半であったりします。不妊期間、ご年齢、性交回数、他院での治療経過、ご夫婦のご希望により、期間に差が生じます。 - 人工授精(AIH)
不妊検査で「精子の数が少ない」「精子の運動率が低い」など精子に問題があると認められた場合や、「頚管粘液が少ない」など女性側に問題がある場合、さらに原因不明の不妊症にも適応があります。
精液をそのまま子宮内に注入するのではなく、洗浄・分離・濃縮したものを子宮内に注入します。
タイミング療法と同様に、超音波検査で卵胞の大きさを計測し、排卵日を予測します。排卵予測日に人工授精を行います。人工授精は朝6時30分から対応しております。お仕事をされていて仕事の前に治療をご希望の方、旦那様が朝早く仕事に行かれる方など、遠慮なくお申し出ください。午後や夕方も治療することができます。(休日や祝日にもご相談の上行っております) - その他
排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群=PCOSなど)に対する排卵誘発(内服薬、注射)、黄体機能不全に対するホルモン補充(内服薬、注射)、ビタミンD補充 男性因子に対する漢方療法・ビタミンE内服・ED(勃起不全)治療など
(3)不妊カウンセラー(日本不妊カウンセリング学会認定)のご紹介
当院には日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラーが2名おります。火曜日、水曜日、木曜日の午前中の外来に出ております。
医師の診察前に、現在の症状やお悩み、不安に感じていることなど時間をかけてお伺いし、ご相談することができます。
(4)不妊治療成績
2015年:47名(タイミング40名、人工授精7名)
2016年:51名(タイミング47名、人工授精4名)
2017年:69名(タイミング65名、人工授精4名)
2018年:73名(タイミング67名、人工授精6名)
2019年:87名(タイミング77名、人工授精10名)
2020年:87名(タイミング70名、人工授精17名)
2021年:87名(タイミング71名、人工授精16名)
の方々がご妊娠されました。おめでとうございます!
(5)助成金申請について
各自治体において特定不妊治療費助成制度があります。
詳細については、お住まいの各自治体にお問い合わせ下さい。